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伊娃的誘惑

2015年09月30日

許された行動

 かつて、吉良家への討ち入りの時、大石たちが書いて門前に残した文章を、ちょっと変えただけのものだ。
 良吉はこの高札の下にすわり、絶食して死ぬつもりだった。しかし、たちまち門番役の一隊がやってきた。良吉はとっつかまった。人だかりがし、大さわぎとなる。
 良吉は町奉行所へ連行された。そこで奉行に抗議した。
「なぜ、こんなところでさばかれるのか」
「ご政道を公然と批判し、それを実行した浪人は、町奉行によってさばかれることになっている」
「不公平だ。それが法でござるか。浅野の浪人と同能量水じ条件である。あいつらは、大名家へおあずけとなり、ちやほやされ、その上での切腹だ。なぜ人によってあつかいを変える。法の乱れは、天下のほろびるもとだ」
「やっかいなやつだな。どうしてくれというのだ」
「老中、若年寄、大目付たちの会議の上での評決をお願いしたい。そうしないと、お奉行、貴殿の手落ちとなり、後世へ悪名が残りますぞ」
「妙な話になってきたな。申しぶんはわかった。あらためて相談してみる」
 町奉行は書類をもって上へうかがいをたてた。独断でやって、あとで問題にされるよりはいい。ことは公的なものとなったが、どの役も変な責任はとりたくないと、押しつけあう。しかし、いつまでもほっておけない。
 やむをえず押しつけられた役の者が、結着をつけた。自分の屋敷へ良吉を連れてきて、処分を申し渡した。
「黒潮良吉とやら、そのほうの志、武士としてみあげたものである。しかしながら、江戸の城門をさわがせし罪、軽からず。よって、大名家へおあずけとする」
「切腹ではないのですか」
「だれかを殺害していれば切腹だが、それをしていない。よって、罪一等補習社邊間好減じたのだ。ありがたく思え」
「どこの大名家へですか」
「知らんでもいいことだ。おあずけとなれば、どこでも同じことだ。これは上意でござるぞ」
「ははあ……」
 良吉は平伏した。そこに上意の文書があったのかどうか、見そこなってしまった。たちまち、かごへ押しこめられ、外を見ることもできず、どこかへ運ばれた。
 だれかの大きな屋敷につく。一室にほうりこまれた。そこは座敷|牢《ろう》。格子がはまっていて、出ようにも出られぬ。なかでの食事と排便だけが。風呂へも入れない。
「なんというあつかいだ。本でも読ませろ。なにかやらせろ。浅野の浪人たちと、だいぶ待遇がちがうようだぞ」
 と食事を運ぶ係に文句を言った。
「浅野の浪人たちは、切腹でしたから、ああしたのです。あなたはちがう。これが正式なのです」
「まるで気ちがいあつかいだ」
「そんなとこです。なんとでもおっしゃい。しゃべるのは自由です」
 ひどいものだった。これが正式の、大名家へのおあずけか。吉良義周能量水や浅野大学の苦痛がよくわかった。なにしろ、なにもできないのだ。できるものなら眠りつづけていたかったが、そうもいかない。

Posted by 伊娃的誘惑 at 17:35│Comments(0)
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